No.079 エビフライの仲間 前篇
2026-01-28掲載
私のエビフライハンティングエリアの一つである羽束山には、中腹から山頂にかけてたくさんの大きなモミの木があります。
モミの実はマツボックリの仲間ですが、私たちがよく知っているマツボックリとは随分違います。たくさんの大きくて薄い鱗片が球形状に積層し、熟すと実の中心軸(芯)から鱗片が剥落します。そして、最後に先端部分にある鱗片の塊が地上に落下します。
参考までに、樹上に結実したモミの実と、鱗片が剥落して先端部分が地上に落下してくるまでの様子を以下に示します。
熟したばかりの実は、マツボックリとよく似た形をしているのですが...
実の先端部分を残して積層した鱗片が徐々に剥落していきます。中には、先端部分に残るはずの鱗片まで大半が剥落してしまったものもあります。
そして最後に、実の先端部分に残った鱗片の塊が地上に落下します。この部分は、乾燥すると鱗片がバラの花のように開きます。
この先端部分、ヒマラヤスギではシーダーローズ [ Cedar Rose(杉のバラ)] の名称で知られていますが、モミの実では何と呼べばいいのでしょうか?とりあえず、ここでは杉(=Cedar)とモミ(=Fir)を入れ換えて、ファーローズ [ Fir Rose(モミのバラ) ] と呼ぶことにします。
さて、昨年の9月、羽束山の山頂にある切株の上に、齧り取られたモミの実の鱗片が纏まってあることに気づきました。鱗片の縁が緑色だったので、何者かが樹上にある未熟な実を取ってきてここで食べたのでしょう。
羽束山に生息する齧歯類はリスと野ネズミぐらいですから、わざわざモミの木の高所から大きな実を取ってきて地上で食べたのは、リスと考えて間違いありません。ただ、リスが食べたにしては、その残骸であるエビフライがどこにも見当たりませんでした。
ところが、11月になって齧り取った鱗片の纏まりを頻繁に見かけるようになると、それらの中に本来自然にできるファーローズと同じ形のものが残っていることに気づきました。同じマツボックリでもリスがモミの実を食べると、その残骸はエビフライではなく、ファーローズになっちゃうんですね☆
ということで、今回は一例として、杉の木の下でリスが創ったファーローズを紹介します。この場所から見て最寄りのモミの木は、画面中央よりやや右奥の個体(右側に傾斜した灰白色の木)になりますが、距離にして6〜7mぐらい離れています。たぶん、リスはその個体から取ってきた実をここまで運んできて食べたのでしょう。
齧り取った鱗片が纏まった様子は、地上でリスがマツボックリを食べた時の光景そのものです。
このモミの実は、リスが食べて間もないみたいで、残された実の先端部分の鱗片はまだ閉じています。バラというよりも、巾着みたいですね♪♪
次回は、リスが創ったファーローズのあるいろんな光景をご紹介します。