No.072 夏に大盛況☆ 

 2025-08-06掲載 
リスはほぼ一年中マツボックリを食べますが、ほとんどの方は、秋から冬にかけてその消費量がピークに達すると思っているのではないでしょうか。実は、マツボックリの消費量のピークは、地域によって違うのです。

私は、山や雑木林でアカマツの周囲に落ちているエビフライを、通年で定点観察していますが、とりわけ根元付近にたくさんのエビフライが落ちている個体を見ているうちに、ある事に気づきました。それは、未熟なマツボックリと完熟なマツボックリとでは、リスが好んで食べる個体が異なるケースが多いということです。

リスはとってもグルメですから、美味なマツボックリしか口にしません。ですから、特定の地域に存在する未熟で美味なマツボックリが生る個体の数と、完熟で美味なマツボックリが生る個体の数の存在比によって、それぞれの地域におけるエビフライの産出量は、季節によって異なってくるのです〜♪♪

今回取り上げるのは、夏から初秋にかけてリスが未熟なマツボックリを大量に消費する有馬富士公園のアカマツの事例です。同園を南北に分断する北摂三田街道沿いの南側の遊歩道に面して立つこの個体では、8月になると、リスが樹上から投棄した鱗片やエビフライが、すぐ下にある遊歩道に大量に散乱していました。

エビフライは遊歩道だけでなく、その両側にあるヒラドツツジの生垣の下からも見つかりました。

リスがこの個体のマツボックリを食べ始めてから、5日と空けずにここを訪れましたが、この日だけで50尾余りのエビフライを採集しました。それらの中には、食べて間もない、白くて尻尾が緑色をした新鮮なエビフライもたくさん混ざってましたよ〜☆

この個体では、夏から秋にかけてリスが盛んにマツボックリを食べていましたが、樹上にまだたくさんのマツボックリが残っていたのに、秋から冬にかけてリスが食べた痕跡はほとんど認められませんでした。

有馬富士公園の大原地区の広大な雑木林には、夏から秋にかけてリスがマツボックリを消費する個体が多く、それらによって産出されるエビフライの量は、同地区で秋から冬にかけて産出される量を大きく上回ります。ちなみに、
私のエビフライハンティングエリアである羽束山や宰相ヶ岳の山中でも、これと似たような傾向が認められます。