No.029 変わった?リスのお食事のマナー♪
2024-08-22 gooブログ掲載
リスが緑色のマツボックリを食べるようになってから、彼らのお食事のマナーに違和感を覚えるようになりました。
完熟のマツボックリを食べていたときには、大きな石や岩、切り株や倒木の上といったお食事処を愛用していたのに、未熟なマツボックリを食べるときは、なぜかそれが生っている個体の周囲でしかお食事をしなくなってしまったのです。勿論、松の木の近くにお食事処が無いところは、松の木の周囲で食事をせざるをえないのですが、すぐそばに素敵なお食事処があるにもかかわらず、なぜかそこで食べようとしないのです。
それに、少し鱗片を齧っただけで食べるのを止めたマツボックリが、やたらと目につくようになりました。当初は、未熟なマツボックリが口に合わないのかなと思ったのですが、たくさんのマツボックリを完食して、それらが全てエビフライに姿を変えていた場所もあったので、食べ残しが多いのには何か別の理由がありそうです。
他にも、マツボックリから齧り取った鱗片が、エビフライの近くに纏まってある様子が見られなくなり、松の木の下で広範囲に散らばる状況が常態化するようになりました。鱗片が散らばっている辺りをよく見ると、松の木の低い位置にある枝や地面に生えた草木に鱗片が引っ掛かっていたことや、樹上に拡がる枝と地面に散乱している鱗片の範囲がほぼ一致していたことから、リスは地上ではなく、主に樹上でマツボックリを食べているものと思われます。
完熟のマツボックリを食べていた時は、リスたちが食を満喫しているイメージがありましたが、未熟なものを食べる時は、どちらかというと手当たりしだいに食い散らかしているような感じがしました。いったい、リスたちはどうしてしまったのでしょうか。
その理由を探るために、まずは食べ残しが多い点に着目して、完熟のマツボックリをリスが食べていた時の食べ残しの例と比較しながら、なにかヒントが得られないか考えてみました。
食べ残しの代表的な例と言えば、『 リスのタコさんウィンナー 』 が挙げられますが、これは同じアカマツでも大きなマツボックリよりも、小さなものを食べた時によく見られます。それに、小さなマツボックリを食べた時には、齧り取った鱗片が松の木の周囲に撒き散らされていることが多く、一箇所に纏まっていることはほとんどありません。未熟なマツボックリには小さなものが多いので、もしかすると食べ残しが多くて、鱗片が撒き散らされていることは、マツボックリのサイズが小さいことと何か関係があるのかもしれません。
さらに、いろんな場所で未熟なマツボックリから齧り取った鱗片の形態を調べてみました。すると、一個ずつではなく、複数個をまとめて齧り取った鱗片が、完熟のマツボックリを食べていた時とは比べものにならないぐらいたくさん認められました。また、齧り取った鱗片には、付根の部分が捩じ切られたようなものが多く、大半は内側に種が着いたままの状態で廃棄されていました。そして、捩じ切られた鱗片に対応するかのように、出来上がったエビフライには鱗片のスジのようなものが残留していました。これらの傾向は、完熟のマツボックリでも小さなものを食べた時にしばしば見られるものですが、未熟なマツボックリでは平均的なサイズのものを食べた場合でも、ごく普通に認められました。
このように、未熟なマツボックリには比較的小さなものが多いことや、平均的なサイズのものでもリスが鱗片を剥離しにくい様子が認められることから、もしかすると未熟なマツボックリはリスにとって食べにくい食材なのかもしれません。
私の勝手な思い込みかもしれませんが、美味しい魚でも小骨が多かったり、身離れが悪いと、我々でもなんとなく食べ方が雑になり、食べることに集中できなくなるのと同じように、未熟なマツボックリの種が食べづらい(取り出しにくい?)ことが原因で、リスのお食事のマナーにちょっとした変化が生じているとは考えられないでしょうか。
(補記)
以下の写真は、松の木の周囲に散乱していたエビフライや鱗片をかき集めて撮影したものですが、未熟なものでも比較的大きなマツボックリを食べてできたエビフライは、齧り取った鱗片の形がとてもきれいでした。