No.017 窪みに入れるのには訳がある 

 2024-07-21 gooブログ掲載 
林道に横たわる倒木の一端を見たら、そこに出来た小さな窪みに2尾のエビフライが入っていました。

窪みのサイズはとても小さかったので、この中で食事をしたとは思えません。たぶん、齧り取った鱗片が散乱している窪みの脇で食事をしてから、エビフライをこの中に入れたのでしょう。
リスが倒木や石にできた窪みでよくマツボックリを食べるのは、単にリスの好みのお食事処だからだと私は思っていました。ところが、窪みの外で食事をしてから、わざわざこの小さな窪みの中にエビフライを収納したところを見ると、リスにとって窪みには、なにか特別な意味があるのかもしれません。

では、リスがエビフライを窪みの中に置くことにどういうメリットがあるのでしょうか。私なりにいろいろと考えてみたのですが、窪みはリスがエビフライの位置(空間座標)をフィックスするのにとても便利な場所だからかもしれません。なぜなら、普通の倒木や石の上だと、風雨によってエビフライは簡単に変位しますが、窪みの中に置いたものは多少の環境の変化があっても変位することがないからです。
このホームページの中で、エビフライがリスの縄張りを主張するためのアイテムとして活用されているのではないかと繰り返し述べてきましたが、そうでないとしても、リスたちの間でなにがしかの情報を伝達するための媒体として、エビフライを活用することがあるのではないかと私は考えています。
エビフライを情報伝達の媒体として活用する場合、それを設置した場所がフィックスされていなければ、有効に機能させることができません。その点、木や石にできた自然の窪みは、リスが特定の場所にエビフライを明瞭にフィックスするのに、簡便でかつ秀逸な構造物と言えるのではないでしょうか。