No.012 とってもグルメです 

 2024-07-07 gooブログ掲載 
鎌倉峡の河川沿いで、大量のリスのエビフライを見つけたアカマツから10数メートルほど離れたところにも、樹高やマツボックリの結実状況が似たような個体がありました。ただ、そこで見つけたエビフライは全部で12尾でした。

それでも、1本の松の木の周辺から見つかるエビフライの数としては、決して少なくはないのですが、隣の松の木に比べるとその差は歴然でした。

師匠に尋ねたところ、同じように見える松の木でも、おいしい種が生る個体とそうでないものがあるそうなので、リスはそれらを厳選して食べているのではないかとの事でした。たくさんの松の木があっても、特定の個体の周辺でしかエビフライが見つからないのは、そういう理由があるのかもしれませんね。

余談になりますが、リスがとってもグルメなことを示すエピソードを一つ紹介します。
私はエビフライに興味をもつ前から、自宅からバイクで15分程度のところにある羽束山に住んでいるリスたちに、時々クルミやドングリ、落花生やヒマワリの種等を届けていました。勿論、リスに頼まれたわけではありませんが、この山に住んでいる動物たちの生態に興味があったのと、たまに山中で遭遇するリスたちと直接ではありませんが、間接的にふれあえる機会を楽しみにしてきたからです。

さて、リスがグルメであることを知ったのは、趣味で長年採集しているドングリの一部を、リスたちにお裾分けするようになったのがキッカケで、同じドングリでも種類によってリスの選り好みが激しいことに気づいたからです。
ドングリはその種類によって、渋味の成分であるタンニンの含有量が異なります。また、同じ種類でもその含有量には微妙な違いがあります。自宅周辺で簡単に拾えるクヌギやコナラ、シラカシ、アラカシのようなタンニンが多く含まれたドングリを持って行くと、翌日までに完食していることは稀で、半分以上がそのままだったり、酷いときにはちょっと齧っただけで全て放置されていました。
ところが、遠方までドングリ探索に出掛けて採集してきたタンニンの含有量が少ないシリブカガシやイチイガシのドングリについては、届けに行った翌日にはほぼ完食していました☆ さらに、これらのドングリにクヌギやコナラのドングリを混ぜて置くと、前者だけがまるで選別されたかのように、数日後には無くなっていたのです☆☆
殻を割ること無く、タンニンの含有量の違いを見極めてドングリを食べるあたり、リスのグルメっぷりには本当に驚かされます。